硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)Crash Piler Method

硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)とは

《玉石混じりの砂礫層や岩盤層に圧入杭連続壁を構築》

無振動、無騒音、軽量コンパクトの画期的基礎杭打ち込み工法である「圧入工法」。
その優れた特徴を持つ「圧入工法」唯一の弱点が「硬質地盤への圧入」です。

玉石混じりの砂礫層や岩盤などには、単独圧入(生打ち)はもちろん、ウォータージェット(大量の水を超高圧噴射する補助工法)でさえ太刀打ちできません。

この硬質地盤クリア工法が誕生するまでは、三点式杭打機等にパイルオーガを装着し、鋼矢板(シートパイル)と共に打ち込む、いわゆる「ハス工法」や、全周機(全周回転オールケーシング工法)による、「砂置換工法(法線上を掘削し掘削孔に砂を入れ置き換える)」が主流でした。

しかし機材が大掛かりになることや、平坦で強固な作業地盤が不可欠であることから、現場条件を選んでしまい、工程や予算が厳しくなることが常でした。

株式会社技研製作所は、従来の圧入工法にパイルオーガを装着連動させる工法を開発。それにより圧入工法の優位性を損なうことなく現場条件や適応地盤の範囲を飛躍的に拡大させることに成功しました。
パイルオーガを装着していながらも軽量コンパクトであり、従来の工法では困難だった、狭い場所や傾斜地、水上での施工も可能です。

また排出ガスのクリーン化や騒音対策にも配慮し、生分解性油脂(万一水中や土壌に流失しても自然界のバクテリアによって分解され生態系に影響を与えない)を標準採用。
周辺環境への配慮にも力を入れています。

弊社では、この硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)が誕生した当初から、メインの工法とし研鑽と実績を積み重ねてきました。
だからこそ柱状図(ボーリングデータ)だけで判断するのではない、弊社独自の工法、工程、正確な価格設定が可能なのです。
目に見えない地中を相手にする仕事は、そこがものを言います。
ぜひ、株式会社埼玉基業へご相談ください。

施工実績はコチラ

最大N値について

《独自の芯抜き理論により最大N値50以上の硬質地盤への圧入を実現》

【砂質土・粘土】 ※圧入長20m以上は別途検討が必要です
最大N値25未満までは補助工法無しの単独圧入が可能(条件あり)。
N値25から50未満まではウォータージェット等の補助工法を併用。
(玉石混じりの砂礫層や岩盤には効果が薄いです ※先端に礫が集まってしまうため)
最大N値50以上に適用する補助工法が「硬質地盤クリア工法」です。
N値75未満までは「芯抜き圧入(掘削と同時圧入)」。
N値75から600までは「先行掘削圧入(一度最小限の掘削で地中に芯をくり抜く)」ですが、N値や土質によって先行掘削の方法・段取内容は変わります。

【岩盤 】 ※圧入長20m以上は別途検討が必要です
最大N値600未満までの岩盤は一律
「先行掘削圧入(一度最小限の掘削で地中に芯をくり抜く)」ですが、N値や土質によって先行掘削の方法・段取内容は変わります。
※最大N値600を超える場合や硬質地盤の内容によっては別途検討が必要となります。(弊社では独自積算が可能です)

硬質地盤クリア工法は、とても優れた工法ではありますが、決して【万能】というわけではありません。
自然界にはこの優れた工法でも困難な岩盤土質が存在します。
そういう時は「ダウンザホールハンマー」等、最適な更なる補助工法をご提案・ご提供できる準備が弊社には常にできております。安心してお任せください。

NETIS登録済の工法

【NETIS 】とは国土交通省の新技術情報提供システム (New Technology Information System)の頭文字のとった言葉で、 国土交通省が運用する新技術の活用のためのデータベースのことです。

硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)は、国土交通省の新技術活用システム「NETIS 」に登録され、従来技術より優れた工法であるとの活用効果評価を受けています。
(登録番号 CB-980118-V)

※当初の登録番号はCB-980118-A(登録当初は実績が無いため皆A表記です)でしたが、施工実績を重ね、より有効な技術と認められたため、CB-980118-Vとなりました。
(尚、掲載期間終了のため、平成29 年4月をもってCB-980118-VはNETISのリスト掲載はされておりません。)
掲載期間の期限があるためであり、工法の有効性に何ら変わりはありません。

サイレントパイラーとの違い

《無振動無騒音 圧入工法の誕生》

鋼矢板(シートパイル)を地中に打ち込み連続壁を形成し周りの土砂の崩壊を防ぐ「土留め工事」は、機械施工が始まったその昔から、バイブロハンマーに代表される「振動や打撃による打設工法」が一般的でした。
これらの工法は、騒音や振動問題を引き起こし、近隣住民の生活環境や自然環境に対して大きな悪影響を与えていたのです。
それらに苦悩していた建設業界の救世主として登場したのが『圧入工法』です。
圧入とは動荷重ではなく静荷重によって杭を地中に押し込む仕組みです。
この方法は周囲の地盤が押し固められ、杭の側圧が増し、横軸方向に対して強固な力が得られることに加え、縦軸に対しても杭の先端に圧力球根ができることで杭の支持力が増大し、大きな載荷に耐え得る杭が完成します。圧入工法は、杭を打つ本来の目的に対して理想的な工法といえます。
安全性に関しても、既に地中に深く打ち込んだ杭を掴み、引抜反力を利用して圧入する工法であるため、既存工法に比べ転倒のリスクが限りなく低いことも特筆すべき特徴です。
圧入工法が誕生したのは1975年(昭和50年)7月。
株式会社技研製作所によって開発され、「サイレントパイラー」と名付けられました。
現在ではもっともスタンダードな鋼矢板(シートパイル)の打ち込み方法です

《サイレントパイラーとクラッシュパイラーの違い》

硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー)が誕生するまで油圧圧入工法 サイレントパイラーは、比較的柔らかい地盤で効力を発揮してきました。
軟弱地盤の地域では、補助工法無しの直接圧入(生打ち)で近隣環境に悪影響を及ぼすことなく工事することが出来ました。
砂質土や砂混じり土質の地域でN値が多少高く直接圧入に不向きな場合は「ウォータージェット」を補助工法として、高圧の水の力で土質を柔らかくし、鋼矢板圧入を行います。

しかし玉石混じりや硬質地盤、岩盤などには直接圧入はもちろんウォータージェット併用でさえ貫入不可能です。
クラッシュパイラーが誕生するまでは、別工法での先行掘削を余儀なくされたのです。

1997年(平成9年)8月
株式会社技研製作所はついにパイルオーガと圧入機をセット連動させた、「硬質地盤クリア工法」クラッシュパイラーを開発。
軽量コンパクトで安全性の高い、圧入機の優位性を保ちながら、硬質地盤、岩盤にも鋼矢板(シートパイル)を圧入することが可能となり、施工条件の範囲が飛躍的に広がったのです。

圧入工法に変わりはありませんので基本的な圧入機の姿は似ています。
パイルオーガはウォータージェット同様、補助工法です。
クレーンの相番が必要なのは圧入工法ではどれも一緒。
パイラー本体セットのみで施工が可能で、別工法の機械を必要としません。
ちなみに最近は「複合機」と称して、様々な現場条件に合わせて姿を変えられる圧入機も誕生しています。
パイルオーガや油圧ホースのリールを外せば普通のサイレントパイラーとして仕事ができます。

F201はリーダーマスト、スライドフレーム、サドル、クランプを共通化し、チャック、チャックフレームの換装、クランプ組み替えにより、一般的なU形鋼矢板400mm幅、より剛性の高い500mm幅、経済性に優れる600mm幅(広幅型鋼矢板)に対応しています。
また、1台の圧入機で単独圧入、ウォータージェット併用圧入、硬質地盤圧入の3種類の圧入工法が選択可能な複合式圧入機です。
1台で様々な地盤条件と施工環境に対応した圧入施工を実施できるため、現場稼動率がアップします。

単価について

圧入工法での単価は「メーター単価」となっていることが多いようです。
「圧入・引抜 1mあたり○○円」などですね。
基準となる単価は「国土交通省土木工事積算基準書(共通編)」等に記されていますが、実施工においては様々な要素が絡んできて、「一概にいくら」と言えないのが正直なところです。
これは「硬質地盤クリア工法」に限ったことではなく、どんな業界であってもそうでしょう。物の単価とは違い、材料・機械・消耗品・人件費・現場状況・かかる時間が複雑に絡みあって最終的に形成されるものだからです。

クラッシュパイラーにも種類があり本体価格が違いますから、機械損料に差が生まれますし、地盤の固さによりオーガヘッドの摩耗・すり減り具合も変わってきます。
鋼矢板の種類や長さによっても難易度が大きく変わります。
長くなればなるほど地中で「ねじれ」が発生しやすく難しいのです。
狭小地や海上など、現場の状況によっては圧入時間のみならず、材料の搬入搬出や段取り替えなど「かかる時間」もそれに左右され、大きく変わってきます。

さらに「経験値」もそこに大きく関わってきます。
どれだけ「硬質地盤クリア工法で工事経験を積み重ねてきたか」で、「やってみなくては分からない」要素の多い硬質地盤圧入工事を最短でクリアできるか。つまり「腕」ですね。

細かい技術の話はここでは割愛しますが、鋼矢板(シートパイル)の打ち込み工事は、単独杭の打ち込みとは違ってセクションが繋ぎあう連続杭なので、「そこ後に回そう」ということができません。
万一何かの原因で進捗が止まった場合、一歩も前に進めなくなるのです。
これこそが鋼矢板圧入の難しさと言えます。

「技術」は一朝一夕に身につくものではありません。
成功と失敗を繰り返し、試行錯誤と不断の努力によってのみ向上する、そしてそれを後輩に継承、繋いでいくのです。
株式会社埼玉基業は、その歴史と技術継承に自信があります。

積算・歩掛

硬質地盤クリア工法は「国土交通省土木工事積算基準書(共通編)」にて平成20年度版から油圧圧入(50<Nmax≦180)として記載されています。

(第II編 土木工事標準歩掛 第6章 仮設工①鋼矢板(H形鋼)工のうち油圧圧入引抜工 ※通称『黄色本』)

積算にあたっては最大N値180以下の場合は「国土交通省土木工事積算基準書(共通編)」、最大N値180を超え600以下の場合は「硬質地盤クリア工法 鋼矢板圧入標準積算資料(全国圧入協会発行)」が適用できます。

注意 N値50<Nmax≦180の範囲内であっても、最大礫径φ120以上の場合や 一軸圧縮強度55N㎟以上の岩層の場合、N値50以上のハット型鋼矢板施工は 国土交通省土木工事積算基準書ではなく「全国圧入協会」の基準を適用します。

圧入管理システムにより鋼矢板(シートパイル)1枚毎の圧入管理データ(圧入力、オーガトルク、圧入時間など)によって科学的な施工管理が可能です。
このデータは土質柱状図とリンクさせることで、地盤別の最適圧入数値の設定や障害物などへの対処が的確に判断できます。

  • さらに弊社では、実際のデータを元に変更積算を提出することが可能です。
    設計施工計画と実際の工事段階で、予想外の結果になることはよくあります。
    最大換算N値600を超える場合や礫径が基準を超える場合、または既に地盤改良された後の現場など、積算資料の適用範囲外の現場、別工法だったものを変更する設計変更現場など、発注者への変更依頼をスムーズに行うための、データに基づく独自の積算作成も、長い施工実績を持つ弊社は得意としています。
    いつでもご相談ください。

硬質地盤クリア工法の施工手順

《初期圧入》

  • 圧入機本体、反力架台を水平に設置
  • アームを開き反力ウェイトを設置
  • パイルオーガを組立後、本体に取付け
  • 反力架台上から圧入開始

《芯抜き圧入》

  • 鋼矢板(シートパイル)を建て込みチャックで掴む
  • パイルオーガにて地盤を掘削
  • パイルオーガと連動させながら鋼矢板(シートパイル)を同時に圧入
  • 2~3を繰り返し、支持力が得られるまで圧入後、自走開始
  • 自走完了後、鋼矢板(シートパイル)を計画レベルまで圧入
  • パイルオーガを引き抜き、以後1~6の繰り返し

硬質地盤クリア工法のカタログ

  • 硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)の弊社所有の各種機械等のカタログや資料は、【カタログ等ダウンロードページ】からダウンロードしていただけます。

    弊社ホームページにない各種カタログをご要望の方は、お問い合わせページよりご連絡いただくか直接お電話をいただければご対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

硬重量・寸法・サイズ

弊社所有のクラッシュパイラー、重量、寸法は以下の通りです。
機種によって重量・寸法は違いますし、現場状況、工法により必要な機材、道具なども変わってきます。
それにより運搬車両の種類、数量も変わりますのでご確認願います。

※【カタログ等ダウンロードページ】からもご覧になれます。

パイルオーガの【オーガ径】

Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型(有効幅400mm)はφ320mmφ320mm,ⅤL型(有効幅500mm)はφ400mmと、 鋼矢板(シートパイル)の内側に収まる設計になっています。 上記はケーシングの径を示すものであり、 ヘッドの径は工法や段取りにより様々です。

継施工について

桁下工事や架空線がある場合、または狭小地で長尺物が運べない場合など、やむを得ず継施工(アーク溶接)になる場合があります。
硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー)では継施工は可能ですが、現場状況ごとに選定機械や施工方法が変わりますのであらかじめご相談下さい。現場を視察確認し最適な工法をご提案いたします。
その時の積算もお任せください。

硬質地盤クリア工法
【ハット型】鋼矢板について

鋼矢板の主な種類としてⅡ型(400mm)、Ⅲ型(400mm/600mm)、Ⅳ型(400mm/600mm)、ⅤL型(500mm)、ハット型(900mm)があります。

ハット型鋼矢板には10H 25H 45H 50Hと4種類があり有効幅はどれも900mmですがそれぞれ鋼材の厚みや剛性が違います。
クラッシュパイラーにもハット型鋼矢板を施工できる機械があります。

反力架台について

クラッシュパイラー本体を運搬する時、または初期杭を打ち込むための反力ウェイトを載せるための架台。サイズは下図の通り。

《初期圧入架台平場設置寸法》

(現場状況により変動します・ウェイトが鋼矢板の場合は要検討)硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー工法)での初期圧入に最低限必要な作業ヤードのサイズです。水平で強固な地盤を必要とします。

硬質地盤クリア工法における資格とは

圧入機を操作するオペレーターは下記圧入機別に資格を必要とします。

◆単独圧入機は「杭圧入引抜機 特別教育」

■硬質地盤圧入機は「硬質地盤圧入機 特別教育」

さらにその上位の資格として(必須ではない)

★圧入施工技士(1 級/2 級 があります。

※圧入施工技士資格は、登録基幹技能者に認定されています。

【重要】

硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー)工事においては硬質地盤圧入機オペレーター及びその相番である移動式クレーンのオペレーター共に

「車両系建設機械(基礎工事用)」の資格が必要です。

【労働安全衛生関係法令】

杭圧入引抜機及び移動式クレーンは一体として労働安全衛生規則第94条の2第2号に規定する車両系建設機械に該当する

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